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【活動報告】吉本天地さんワークショップ

「石を模す」
 11月1日のトークに続き、11月8日は吉本天地さんのワークショップが行われました。ワークショップに必要なものは石とフェルトとカッターとカッターマット。本物の石からパターンをとって、フェルトをカットしていきます。11月1日の授業で石を用意するようにという指示があり、受講生はそれぞれ思いの場所からさまざまな色・形・大きさの石を拾ってきました。自然観察のワークショップも同時に提案されていたので、石を探しがてら、自然物と人工物がせめぎ合うさまを求めて街歩きをしました。普段歩き慣れた場所でも、自然観察を行いながら歩くと新鮮な気分になることができました。
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 ワークショップは吉本天地さんの実演から始まりました。まずはフェルトの上に石のポジションを決め、チョークで石の縁を取り、石の形をイメージしながらフェルトを切り、細かい部分を削ります。吉本さんがあっという間に完成させたので、案外簡単にできそうだと内心安堵しながら実践に移りました。
 しかし、いざ実践となると想像よりフェルトが厚く、思い通りにカッターを動かすことができませんでした。皆作業に集中しているためか、カッターがフェルトを削る音がやけに教室に響きます。最初は苦戦したものの、だんだんとカッターの扱いにも慣れ、石をじっくり眺めながらフェルトの微調整を行うことができるようになりました。吉本さんが実演の際、「石を摸すように」とおっしゃっていたのですが、確かに石の形をトレースするというよりは、石を観察しその形をフェルトに落とし込んでいくという感覚がしっくりくるような作業でした。灰色でどっしりとしたフェルトの質感も相まって、フェルトがどんどん石になっていくのが面白かったです。作業も終盤に架かると、静かだった周囲から「上手にできた!」「正解がわからない…」という声が上がるようになってきました。
 できあがったフェルトの上に石を置き、一つのテーブルの上に並べてみると、あまりに豊かな個性に驚きました。吉本さんのレベルになると、フェルトを見ただけで制作者が分かるそうです。残念ながら私には自分の作ったものしか判別できませんでしたが、多くの石たちの中で、私の石が一番かわいいなと思いました。自分の石と向き合い、対話をしたことで随分と石に愛着がわきました。しかし、ほとんどの受講生が松本市内で拾ってきたというのにもかかわらず、それぞれの石が全く異なる顔をしているのにとても驚きました。カクカクした石や、角のとれた石、まるい形や平べったい形、白みがかった色から茶色、黒と形と色のバリエーションも様々でした。松本の自然も奥が深いです。
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 石を拾い、じっくり眺めながら模倣をするのは初めての体験だったのですが、非常に楽しい時間を過ごすことができました。吉本天地さん、本当にありがとうございました。(大司百花)

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【活動報告】公開制作vol.1 源馬菜穂「絵とつながり」【長野県立美術館】を訪れて

柔らかな色合いとタッチで描かれた風景。
その絵にはどこか懐かしいような、気持ちが穏やかになるものがあります。

長野県岡谷市を拠点に活動しているペインターの源馬菜穂(げんま なほ)さんが公開制作を行うオープンギャラリーで、お話を伺いました(2021年10月24日)。

とても柔らかい雰囲気を纏う源馬さんは、公開制作に持ち込んだご自身の道具などについて教えてくださり、学生の質問などに素敵な笑顔で答えてくれました。
普段はご自身のアトリエで一人で制作をしている源馬さん、「(長野県立美術館での)公開制作は挑戦だった」とのこと。

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[ 学生からの質問に答える源馬菜穂さん ]

長野県立美術館一階、交流スペース。
ガラスの壁を隔てた先に、源馬さんのアトリエはあります。
明るく穏やかな照明に照らされた壁に源馬さんの作品がかけられており、中央にイーゼルと椅子、テーブルなど源馬さんが普段使用している道具が置いてあります。
脇には、色とりどりの顔料が置かれ、源馬さんがどのように絵を描いているのか、少し見えた気がしました。

【源馬さんの普段の制作】

源馬さんが使用するのは、油絵具、水彩絵具、オイルパステル、ソフトパステルなど多様な画材です。それらを様々に組み合わせた制作によって、一枚一枚、絵の質感の違いが生みだされます。
お話を聞いた当日には、テンペラ絵具について教えていただきました。
テンペラとは、乳化作用を持つ物質を固着剤として利用する絵具及び絵画技法のことです。「テンペラ」は「混ぜ合わせる」という意味のイタリア語「テンペラーレ」に由来し、顔料と練り合わせ材を混ぜる行為を意味します。
源馬さんは、実際に、卵と油を振り混ぜ中性の状態にしたメディウム(媒体。顔料と練り合わせ、均質な分散や接着を助けるもの)を顔料の粉と混ぜてテンペラ絵具を作りながら説明してくださいました。
テンペラ絵具は乾きが早く、水彩のようにも描けるところが魅力だそうです。キャンバス地は水分を吸いやすいものを使用します。テンペラ絵具の水分が吸収され、その過程を経て出てくる線があります。

【新しいものに挑戦して、試行錯誤を】

作品を制作する際、なかなか上手くいかず、「もう描けない」と思うことがあるそうです。
「そんな中でも、新しいことを自分の画面の中で挑戦してみる。自分なりに頑張って、試行錯誤を繰り返した先に、ふっと描けるようになる瞬間が来て、“今日も描けた”と安堵する。その繰り返しです」と源馬さんは言います。

「描きながら“自分の絵はこういうものだ”と決めないことが大切」と、源馬さんは話します。「自分が思っている答えに向かっていくのではない。試行錯誤しながら、新しい紙を使ってみたり、普段使わない画材を使ってみたりして」

今回も企画と展示に向けて作品制作をした中で、“描けない”期間があったそうです。
源馬さんは普段あまり使用しなかった画材ソフトパステルで制作を始めてみました。すると、イメージが湧き、良いと思える画面を作れるようになったそうです。

「基本原則はなく、色々と試していく中でできるようになる。その過程で自然な形で行き着くような。振り返ると小さなきっかけですが、ソフトパステルを使い始めたことで、新しい画面に行き着きました」

自分のやり方や、答えを限定してしまうのではなく、これまでにやったことのない新しいことにどんどん挑戦していくことがどんな分野においても大事だとわかりました。

【公開制作、オープンギャラリーという場について】

学生の「人に見られながら描く時と、一人で制作する時で、作品の違いはあるか」という質問に対して、
源馬さんは「私にとっては自分のアトリエで絵を描くことが一番良い環境。けれど、オープンギャラリーで行う公開制作は、見に来る人のための企画だと思う。長野県立美術館まで通う中での風景や光から、新しい絵を作ることが今後の制作につながる」と答えてくださいました。
公開制作をするにあたり、源馬さんは県立美術館まで電車で通っているそうです。
「せっかく長野市まで来ているので、途中で電車の車窓から見えた景色、アトリエの外の景色など、記憶を思い出しながら絵を描いている」

ガラスを隔てた中と外。
作品を制作する源馬さんと、その様子を外から見る鑑賞者の間には、何でもないようなふりをして、そこにはある種の緊張がある、と言います。

「ギャラリートークをやりませんか? という提案を頂いたとき、私は話すことが得意ではないし、言葉で伝えることで逆に“一方的な伝わり方でイメージが限定してしまう”のではないか、と不安でした。作家の話を聞いていて、その分作品をゆっくり見られないのではないかと、トークをやることの良さには疑問がありました。ですが、今日学生さんたちの色々な疑問や意見、思いを聞くことができて良かったと思います」と源馬さんは、微笑みました。

金井先生は、「トークだけでは届かないものもあるが、今日のこの機会はまた別の意味での“メディウム(媒体)”となり、作家と見る側の関係の密度を感じた」と話しました。

学生の感想
美術館の中で絵画を見ても、普通はどんな画材を使っているのか、どんな環境で制作しているのかはわからない。作家が作品の隣にいるなんて普通はないことで、より作家と作品への理解が深まった。

“見る-見られるの関係”について、作品と作家が一緒にいる空間を間近で感じられるオープンギャラリーは、鑑賞者と作品の距離を縮めることができると思いました。

源馬さんの柔らかな雰囲気は、そのまま絵の中に現れている気がしました。純粋な興味から、「この絵を描いた作家はこういう人なんだ」という答え合わせのような面白さがあり、新鮮な体験でした。

公開制作は、作品と鑑賞者の間に、作家と制作の間に“新しい異物”が入り込み、鑑賞者だけでなく作家にもまた新しい発見と刺激を与えます。
源馬さんはその経験を、新しい制作へとつなげていきます。
現場を目撃した私たちは、見たもの、感じたもの、得たものを、何につなげていくでしょうか。(杉江夏実)

源馬菜穂さんの公開制作は2021年12月19日まで開かれています。
『公開制作vol.1 源馬菜穂「絵とつながり」』
期間|制作 2021年10月9日(土)~11月23日(火・祝)
   展示 11月27日(土)~12月19日(日)
*制作期間中、作家が美術館に滞在していない期間もあります。
長野県立美術館 公式サイトより
(https://nagano.art.museum/exhibition/publicproduction)

【活動報告】吉本天地さんをお招きして

 11月1日、ファッションブランド「amachi.」のデザイナー、吉本天地(よしもと・あまち)さんをお招きしてのトークを行いました。ヒッピー、自然、音楽、芸術、日本、アメリカ、読書、人類学、南方熊楠、詩……。ひとくくりにできそうで、やっぱりできない多様な背景の中から、魅惑的なファッションを生み出している吉本天地さん。現在は松本市を拠点に活動をされています。
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  吉本天地さんは1993年生まれ。ミュージシャンの両親のもと、幼少期から芸術に触れる機会が多く、ヒッピーの聖地とされるカルフォルニアのエルクバレーをはじめ、日本やオーストラリアでも生活されました。長野県で中学高校時代を過ごしたあと、自身の出自の“面白さ”を生かして、クリエイティブな活動をしたいと思ったという吉本さん。18歳から洋服の型紙をつくるパタンナーとして国内外で経験を積み、23歳で独立。その後は長野県に拠点を移し、“自然と人間の関係性”をテーマに、「身体と自然が接した瞬間」など、様々な解釈で各シーズンのテーマが落とし込まれたコレクションを制作されています。

以下、吉本さんとのお話の様子をお伝えします(敬称略)。

質問者:吉本さんはご両親がミュージシャンということですが、ファッションを仕事にすると決めた理由はなんですか?
吉本:私が幼少期に生活していたエルクバレーには、芸術や思想・文学を生業とする人が多く住んでいました。また、そこは電気や水道などのインフラも自前でやっていく生活スタイルで、服も母が手作りしていたり、染色をやっている人もいて、 “ものづくり”が身近にありました。その後日本で生活するようになって、高校卒業くらいの時期から“ものづくり”に興味を持つようになったのですが、両親含め私の周囲で芸術を生業としていた人たちは、いわばアンダーグラウンド的に芸術活動をしている傾向があるように感じていました。自分はそれよりもパブリックなことをしようと思って……。服は、着る人がいてくれる分、社会性が高いと感じています。デザイナーが“完成”させて終わりではなく、それを生活の中で実際に使ってもらって、劣化していくことも含めてストーリーになる。そう思ったので、ファッションを仕事にしました。

質問者:吉本さんがコレクションを作るにあたってのインスピレーションやアイデアなどはどこから来るのでしょうか?
吉本:私のコレクションでは、“自然と人間の関係性”が最大のテーマになっています。そのテーマの中で制作をしているのは、幼少期に過ごした場所の影響が大きいと思います。長野県は言うまでもなく自然豊かな場所ですが、エルクバレーも隣の家が2キロ先というような、人工物より自然物が圧倒的に多い場所だったので。
例えば独立前になりますが、服が朽ちて土に還ることをイメージして、苔むしたようなデザインの作品を作りましたし、ブランド初期のコレクションのテーマをあげると、「場所の感覚」、「光の観測記録」、「植生遷移」などがあります。また、2018年に発表したコレクションでは“山火事”をテーマにしました。幼少期を過ごしたカリフォルニアでは山火事が多く、住民が避難を強いられることがあるように、人間にとっては山火事は重大な脅威・災害です。実際、私も住んでいたころに山火事から避難をしたことがあります。でも、山火事って実は生態系の循環の中に組み込まれている現象で、それを利用する生き物もいるんです。例えば、山火事によって種子を拡散させ、子孫をのこす植物が存在しますし、樹皮を分厚くして炎に耐える樹木もあります。山火事から環境が再生していくというサイクルは、本源的に自然の中に存在しているものだと感じています。山火事のコレクションでは、制作した服を燃やすイメージ映像も作ったのですが、エルクバレーで両親と仕事をしたこともある思想家、ゲイリー・スナイダーの詩を使わせてもらいました。それと、コレクションを制作する際は、自身の実体験からの発想と並行して様々な本を読み、そこからイメージを膨らませています。
補足:吉本さんによれば、レベッカ・ソルニット『ウォークス 歩くことの精神史』や、ジル・クレマン『動いている庭』、ロジェ・カイヨワ『石が書く』がおすすめの本とのこと。また、南方熊楠についての本にも影響を受けているそうです。
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質問者:「amachi.」のコンセプト写真やプロモーションビデオをいくつか拝見しましたが、さきほどの「服を燃やす」映像に加え、「服がほとんど見えない」写真があるなど、ある種“攻めた”表現が多いように感じます。そのような表現ができるのは、吉本さんご自身がアートディレクションのようなことをされているからでしょうか?
吉本:そうですね、毎シーズン映像、写真それぞれ異なるチームと仕事をしていますが、最終的な部分では私自身アートディレクションもしています。たしかに、デザイナー本人じゃないとああいった表現はできないかもしれないですね(笑)。
私は「amachi.」のコレクションを、写真、映像、インスタレーションなども含めて複合的に表現しようと思っています。ただ、写真や映像では服そのものを見せるというよりも、制作背景であったりモチーフにした自然・世界観を表現することを主眼にしていて、「服を燃やす」映像も、山火事の炎のマテリアル・質感を表現することが目的でした。

質問者:ファッションブランドにはアートの要素の他に、ビジネスの要素が不可分に存在していると思いますが、吉本さんご自身はデザイナーとして、アーティスティックな要素とビジネス的な要素のどちらに重きを置いて活動されていますか?
吉本:もちろん自分が作った服はすべて売っていて、それによって得たお金で新たなコレクションを作っているという流れがあります。なので、「amachi.」に限らずファッションブランドは消費社会と密接に関わっている。「amachi.」も現在、服を工場で量産するようになっています。ただ、生産した服の一部、コレクションの核となる部分には私自身で手を入れることができるような環境にしていて、そうするとコレクションの中に自分の表現は行き渡るし、“商品”の服にも自然と有機的な多様性が生まれてくる。もちろんそれだと生産できる数が限られてくるので、ビジネス的にはどうしてもマイナスになります。また、服を小売店に卸す際には売り場を自分の目で見て、納得のいく環境、人を介して販売頂く流れを守っています。そういう意味ではアーティスティックな面もビジネス的な面も、バランスをとりながらやっていますし、両者のせめぎあいをやめたくない。アートとビジネスの両立が、この仕事の面白さの一つだとも感じています。

質問者:吉本さんのコレクションに、レディース・メンズといったような区別はあるのでしょうか?
吉本:私のコレクションは、私自身が着て、考えながら作っているということもあり、最初メンズ向けとしてスタートしました。ただ、現在ではおおよそ3割くらいを女性が購入してくれていて、結果的にはユニセックスとして着てもらうことができるようになっています。私は独立前、レディース向けの服のお仕事をしていましたし、独立後でも「コレクションは絶対メンズ向け」と思いながらデザインをしているわけでもないので、女性からも支持をいただけているのはそれが理由かもしれないですね。
補足:トーク後、吉本さんのコレクションを試着させていただく時間がありましたが、女性のゼミ生でも、スタイルやデザインの面で全く違和感なく着ることができていました。
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感想
 吉本さんの作品をいくつか見せていただきながらトークは進みましたが、「amachi.」のコレクションはどれも魅惑的で、まさしく“自然”が織り込まれているものばかり。服に当たる夕日の形を写し取ったニットウェアや、「ひっつき虫」の刺繡を施したボトムス、植物のつるをモチーフにしたひもで装飾されたトップスなどなど。デザイナーの主体性を前面に押し出すのではなく、人間と自然との関わり合いをトレースするような作品が多い印象を受けました。
 季節を問わず室温・湿度を自在に調節することのできる生活環境に加え、化学繊維の普及や、生地の製造・縫製過程が見えづらいこともあって、ともすれば自然と関係がないように感じてしまう現代の衣服。しかし衣服の根源は、自然の産物に人間が手を加え、厳しい環境に身体が耐えられるように形作っていった、文字通りの「人間と自然との接点」ではないでしょうか。「amachi.」のコレクションは“装い”や“デザイン”といった面から、その「接点」を再発見し、私たちに新たな視点や、人間と自然の間にある面白さを提供してくれます。「結局“SDGs”みたいなもの?そういう思想って最近、よく聞くよね。」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、百聞は一見に如かず。「amachi.」を通して、“SDGsをこえた何か”が、発見できるかもしれません。(若下航平)

参考
https://magazineashinoura.wixsite.com/ashiura/single-post/amachi
http://thisisshizen.jp/story/yoshimoto
https://www.fashionsnap.com/article/ghibliexpo-satohtaku/

【活動報告】『白い鳥』上映会(ゲスト:三好大輔さん@アルプスピクチャーズ)

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10月18日、三好大輔さんを招いて、映画『白い鳥』上映会と受講生によるトークを行いました。三好大輔さんは、映像制作会社に所属し、松本市・安曇野市を拠点に音楽映像・広告・ドキュメンタリーの制作をされています。現在は、昭和の8mmフィルムを掘り起こし、市民と共創する地域映画づくりを全国で展開されています。

映画『白い鳥』は、「全盲の美術鑑賞者」として言葉を通じて美術鑑賞をされている白鳥健二さんを題材にされた作品です。目が見えない人はどうやってアートをみるのか? 見えない人と見える人との会話から何が見えてくるのか? 見終わった後は、世界の彩りが変わってみえるような作品です。

三好さんとのお話の様子をお伝えします。
質問者:三好さんがこの映画に関わったきっかけ、また共同監督された川内有緒さんとの役割分担についてお聞かせください。
三好:川内さんがもともと白鳥さんと交流をされていて、白鳥さんの活動について何か映像作品を作りたいということで、大地の芸術祭を一緒に訪れて撮影したのがきっかけです。その後、文化庁のバリアフリーコンテンツの作品として応募することになり、本格的に映画として制作することになりました。
役割としては、私は撮影や編集を行いました。川内さんは二年前から白鳥さんと交流があり、作家として白鳥さんを取り上げたということもあって構成や台本、インタビューを担当してもらいました。
質問者:映画製作にあたって、苦労された点などはありましたか?
三好:白鳥さんの日常をどう撮るかということは悩みました。冒頭の印象的なキッチンでの場面は撮ることができましたし、白鳥さんの提案だったそうめんを作る場面では、普段から光を消している薄暗い中、佇んである白鳥さんの美しい瞬間を撮ることができました。
 また、私たちはこの映画を映画館で上映したいという気持ちがあり、長編映画として現在制作中です。その制作過程で、白鳥さんと一般の方々との出会いや対話に立ち会っていますが、同じ作品を見ていても印象や感想が全然違ったりするんです。白鳥さんは、そうしたところに表れる人々の生き方や考え方の違いを共有・共感していこうとしてるんだと思います。人と人とが理解し合う、違いを認め合うことの尊さはこのような場で私が強く感じているところで、より良い形で記録していけたらと思っています。
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私自身は、白鳥さんが美術鑑賞を通じて、作品自体を知りたいのではなく、それに関わる人々の考え方や背景が知りたいという話が面白いと思いました。目に見えるものだけが美術作品なのではなく、それを鑑賞する人や、人と人との繋がりを含めて芸術というものを捉えることが必要なのではないかと思いました。(角谷嶺平)

工芸の五月連携企画「ビューロー」

今年度の「ビューロー」はオンラインベース。
Facebook上で「工芸の五月」のプログラムの紹介やレビューを展開します。
https://www.facebook.com/goldwellseminar
よろしくお願いします。
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Appendix

プロフィール

信州大学人文学部芸術ワークショップゼミ(美術系)

信州大学人文学部芸術ワークショップゼミ(美術系)
信大人文芸術WSゼミ(美術系)です。学生の立案・運営で、美術に関わる企画を松本市内で展開しています。
主な企画展に「ここも そこも どこかのここで:小林史子、前沢知子、水野勝規」(2012)、「アーケード:佐々木愛、文谷有佳里」(2013)、「大展会:渡辺英司、青田真也、小栗沙弥子、堀田直輝」(2014)、「下平千夏 光の記譜法」(2015)、「友政麻里子と二藤建人」(2016)、「上田良:めくるめくらむ(2017)」、「鈴木のぞみ:Re-collection」など。

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